神経ブロック、左右の取り違えに注意を
医療機能評価機構
日本医療機能評価機構は、神経周辺に麻酔薬などを注入する神経ブロックという治療法を実施する直前に部位を確認しなかったため左右を取り違えた事例が2019年1月-25年10月に13件報告されているとして注意を呼び掛けている。
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機構は医療安全情報(No.229)で、左右を取り違えた2例を報告。1つ目の事例では、左肘関節授動術を右側臥位で実施するため、手術室看護師が患者の右側にスペースができるように室内を準備。全身麻酔の導入後、整形外科医は右側が術側と思い込んで誤って右側に腕神経叢ブロックを実施した。
術式や術側は執刀直前のタイムアウトで確認することになっており、その前に行う神経ブロックでは術側の確認方法が決められていなかったため、整形外科医は確認していなかった。
2つ目のケースでは、左上腕骨骨折手術後の抜釘術を右側臥位で実施するため、右側に手術の器械などを準備していた。全身麻酔の導入後、麻酔科医は右側が術側と思い込み、誤って右側に腕神経叢ブロックを実施。入室時に術側の確認を行っていたが、神経ブロックを行う直前に術側の左右を確認していなかった。
これらの事例が発生した医療機関では、神経ブロックを実施する直前に医師が術側を宣言し、チームのメンバーは手を止めて術側の左右を確認するという再発防止策に取り組んでいるという。
機構は取り組みのポイントとして、▽神経ブロックを実施する直前に術側の左右を同意書などにより照合するルールを決め、周知する▽術側の左右の確認は入室時・神経ブロックの実施直前・執刀直前の3つのタイミングで行う-ことを挙げている。
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